建物を貸すときに注意すること.

投稿日時:2018/03/30

アパートやマンションを持っている方によくご質問頂く事があるのですが、

簡単に注意すべき事をご説明させて頂きます。

Q.建物を貸すときに注意することは?

【ご相談例】

相続税の節税対策もあって、初めてアパートを建てて人に貸す事にしましたが、建物を貸すについては、どんなことに注意したらよいでしょうか?

A.①信用できる不動産業者に入居者を斡旋してもらうこと、②入居者の信用性、資力をよくチェックすること、③自分の希望、実情に合った契約条件での契約書を作ること、などに注意するとよいでしょう。

【不動産業者の利用】

自ら入居者をみつけることはなかなか難しいですから、信用できる不動産業者に募集、仲介を依頼した方がよいでしょう。また、副業であっても、今後継続的に賃貸を業とするなら、賃貸人の協会などに入会して種々の有益情報に接することも有益です。

【入居者の信用性】

入居者の選定を不動産業者に任せきりにしないで、自らも面接してみるなどの関与をした方がよいでしょう。

賃貸借契約書に、「暴力団であることが判明したときは契約を解除できる」など入居者の信用確保のための条項を入れておくことも必要です。

また、住民票(家族全員)、源泉徴収票や所得証明などなんらかの公的資料を出させるとよいでしょう。

借主が個人でも会社でも、かならず連帯保証人をつけてもらうことにし、その人に資力を証明する資料も出してもらうとよいでしょう。最近では保証会社が連帯保証人の代わりに保証するケースがほとんどですが。

【契約条件、契約書の内容】

不動産業者使用の定型的な契約書や市販の契約書を利用することが多いでしょうが、これらを一部訂正するなどして、自分の希望、実情に合った契約書を作るようにした方がよいと思います。

建物の賃貸借には借地借家法の適用があり、契約内容が無効とされることもありますので、注意が必要です。

以下、問題の多い点を説明します。

(1)期間、更新

1年以上の期間であれば有効ですが、「(期間の定めがなく)いつでも要求あり次第立ち退く」とか、「所定の期間が来たら必ず立ち退く」などの特約をしても、「正当の事由がなければ解約の申入れ、更新の拒絶ができない」との借地借家法の規定に反するものとして無効となります。

ただし、①定期建物賃貸借(定期借家)、②取壊し予定建物の賃貸借、③一時使用目的が明らかなものは例外扱いされますが、①、②は、公正証書などの書面が必要です。さらに①については、契約書とは別個に、契約の更新がなく契約期間の満了により賃貸借契約が終了する旨を記載した書面の交付・説明が必要になります。

(2)使用目的

建物の使用目的が住宅用か店舗、事務所用かも記載しておくべきです。「借家人が家主に無断で用法を変更すれば契約を解除できる」との条項もあわせて入れておくとよいでしょう。

(3)修理、修繕

なにも特約をしないと、原則として家主が修繕義務を負いますが、「修繕およびその費用はすべて借家人が負担する」という特約を入れれば、逆に、原則として借家人が修繕義務を負うこととなります。ただし、どちらの場合でも具体的な区分をするとなると難しい場合が多いです。また、「有益費、必要費の償還請求もしない」との特約もあると、より有利となるでしょう。

(4)造作の買取り

賃借人が賃貸人の同意を得て付加した畳、建具などの造作につき買取りをしない趣旨の特約は、借地借家法では有効とされるようになりました。

(5)退去時の補修義務

賃借人に退去時に補修させる範囲を予め具体的に明示しておくと有用です。

※借りる側と貸す側とでは利益相反になりますが、そこをいかに相手の立場も考えながらお互いが良い関係で継続していくかが大切だと思います。借りてから、住んでから、退去するまでと色んな場面が出てきますので、その都度思いやりを持って対応していかなければなりません。

※賃貸でお困りの事がございましたら、お気軽にご相談下さい。

《参考となる法令など》

借地借家法26条、28条、29条、33条、38条~40条

最判平24.9.13民集66.9.3263

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